令和4年度の企画展「空飛ぶ船UF-XS展-荒波を超える飛行艇のはじまり」が今日から開催となりました。
会場は館内A3ゾーンのUF-XS実験飛行艇前の特設会場です。
特にUF-XSの特徴である、機首部の波消し装置を近くで見れるようにと、このような会場配置になりました。
もともとこの場所に展示されていたKAL-1連絡機は、本企画展の開催期間中は従来の企画展エリア(A3ゾーンの南東端)に一時移動になっています。

【"おかるさん"ことKAL-1は、しばらく隅っこで我慢してくれぃ】
今回のUF-XS展は、いつも企画展開幕時に行われるセレモニーは実施されませんでした(なんでじゃ!?)が、初日から多くの観覧者が来られて、意外な関心の高さにちょっと驚きです。

【企画展会場の様子】
会場にはUF-XSで実験された色々な飛行艇技術の解説パネル展示や写真アルバムの他、UF-XS関係者の回想ビデオ、試験中の記録映像、1995年に当館で行われた機体修復作業の記録映像、屋外展示機US-1A救難飛行艇9078号機の1995年12月12日の各務原飛行場へのラスト・フライト時の映像など、初公開となる貴重な展示(!)もあります。

【UF-XS関係者の回想ビデオの上映】

【UF-XS修復作業の記録映像とUS-1A #9078ラストフライト映像の上映】
また、午後には特別企画「UF-XSをのぞいてみよう!」が行われ、空宙博ボランティア・グループが機体解説等の支援を行いました。
UF-XS機内の一般公開は、当博物館の1996年の開館以来、初めてのことになります。
本イベントは30人限定の事前申込制でしたが、ネットでの受付開始後あっというまに定員一杯になってしまったそうで。
UF-XSの機内は狭く、床板が一部にしか張られていない(これは実験当時の状態を忠実に再現したものです)こと、BLCダクト(翼の境界層制御用圧縮空気の配管)が出っ張っていたりするため、見学者の安全面・機体保全面から操縦室など機内の奥の方までは入れず、乗降口を入ったところまでに限定されます。ホント、頭ぶつけたり転落して怪我しそうなので。
1995年の修復作業は(予算的な理由から)機内の修復は限定的なもので、失われたままの部品も多いという状態ではありますが、普段は見れないUF-XSの機内を覗くことのできる貴重な機会です。写真撮影も可でした。

【機内に入れるのは乗降口を入ったところまで】

【UF-XS機内は床板が一部しかありません(実験当時を再現)】
床板が一部にしかない理由は、艇底の水漏れ確認や設置された水圧測定器など計測器をチェックするためなのだそうです。床板はこれで図面通りに修復されているんだって。
操縦室上部のレシプロ・エンジンのコントロール・レバー(エンジン4基で十数本あったハズ)がゴッソリ失われているのは残念。
私は当日30分づつ3回行われた見学会のうち、1回目の機内解説を担当しました。
正直なところ狭いし暑いし、というのが感想 (^_^; でも見学者の方々には喜んでいただけて良かったです。
次回の「UF-XSをのぞいてみよう!」は8月6日開催予定ですが、すでに予約は埋まっているそうです。その次は9月3日だ。
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