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2016年12月18日 (日)

「飛燕」整備関係者インタビュー

※ かかみがはら航空宇宙科学博物館の本館及び屋外実機展示場はリニューアル工事のため、2018年3月まで一時閉鎖されています。
収蔵庫特別公開を除いて、一般の方々の入館はできなくなっていますのでご注意ください。

収蔵庫特別公開の詳細については博物館公式ホームページ(下記URL)を参照ください。
http://www.city.kakamigahara.lg.jp/museum/3920/017236.html

(すみません、年末で何かと忙しくてブログ更新が滞っております)

先月20日、収蔵庫公開の来館者対応をしていましたら、戦時中に学徒動員で「飛燕」戦闘機の整備をやっておられたという方が来られて、「飛燕」をみながら非常に懐かしいとおっしゃっておられたので、詳しくお話しをお聞きしたいと要望したら、あらためて・・・ということになって

今日、当時のお話を伺えました。
お聞きした話をちょっと書き出してみます。

・旧制中学4年生の1944(昭和19)年6月から12月まで、学徒動員で川崎航空機に配属された。

・配属先は試作機の整備をする職場。 主に「飛燕」の整備の手伝いをしていた。

・「飛燕」は”ロクイチ”と呼んでいた。(キ61だから)

・学徒なので、仕事は本工さんの手伝い。 エンジンカバーの開け閉めや、エンジン始動のときのクランク棒を回す役をしたりしていた。

・エンジン始動は、機首右側面の孔にクランク棒を突っ込みスタータ(慣性始動機)を回して行う。 右足を排気管の上の出っ張りにのせ、左足は主翼にのせてクランク棒を回す。
クランク棒は1人で回した。
寒い時期などはエンジンオイルが固くなっているので、重くて中々回らない。
20回転くらい、勢いよく回してやらないとエンジンのかかりが悪い。 スタータの回転が上がったところで操縦席のパイロットが始動スイッチを押すと、バババーッとエンジンがかかる。 子供だったのでクランクを回す力が弱く、よく失敗して怒られた。

・整備の手伝いで一番困ったのは、取り外したエンジン・カバーを再び取り付けるとき。
 カバーがピッタリ合わず、右側を合わせると左側が5mm~10mmくらいずれるので、木槌で叩いて無理やり合わせて取り付けていた。 当時は板金プレス加工技術が未熟だったのかな。

・地上でのエンジン運転の時間が長くなると冷却水の温度が上がってしまうので、胴体下のラジエータに消防ホースでジャージャーと水をかけながらエンジンを運転していた。

・”ロクイチ”でのトラブル関係は、よく伝えられるエンジン不調よりは油漏れの方が多い印象。
 飛行試験で着陸するときに脚が出なくなったこともあった。 パイロットは飛行場の上空を何回も旋回して燃料を減らしてから胴体着陸を試みる。 地上では消防車が待機しているが、接地した際に飛行機がひっくり返って火を噴くこともあった。

・”ロクイチ”はI型とII型があるというのは聞いていたが、何がどう違っているのかというのはよく分からなかった。

・・・などなど、1時間半ほどお話を伺えました。
こういった当時の貴重な証言は、また改めてまとめていきたいと思っています。

最近、なかなか時間がないのだけれど (-_-;;;

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