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2020年2月29日 (土)

新型コロナウイルスの影響・「研三」の小話

博物館から、新型コロナウイルスの感染予防・拡散防止のため、
2月28日(金)から3月15日(日)まで、来館者との濃厚接触の可能性がある各種ガイド、教室、シミュレータなどの開催・運営は中止するとの方針が示されました。

新型コロナウイルスの影響によるシミュレータ・イベントなどの中止について

博物館は閉鎖にはならないものの、
これを受けてボランティアも展示場での解説・質問の対応、ガイドツアーの活動については当面の間、控えることになりました。
3月から再開予定だった、ボランティアによる屋外展示機維持活動についても、原則中止にしたいと思います。

また、3月7日(土)に予定していたボランティア・グループ3月度月例会は、3月21日(土)に延期になります。
空宙博ボランティアの皆さんはご注意ください。

開催中の企画展「スピードを追い求めた幻の翼 研三-KENSAN-」は、とりあえず3月16日(月)までは開催されますが、期間中の土曜日午後に催されていたギャラリートークは中止になってしまいました。
来週3月7日は私が担当する予定で準備中だったのですが・・・
「あゝ片岡飛行士の歌」をうまく歌えるよう練習したのにぃ~(T_T)

この状況では、やむを得ないですね。

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「研三」展ギャラリートークのときに披露しようと思っていたネタ(小話)ですが、

企画展会場で上映中の「研三」記録映像に写っている、川崎航空機の「研三」整備スタッフであった西門啓さんが、
戦後、「研三」のことを次のように語っていたと、西門さんと一緒に働いていた方から教えていただきました。
(映像中、「研三」から降りてきた片岡パイロットと話をしているのが西門さん)

『「研三」は、どこから漏れるのか、水びたしの機体で、
 まるで水の中から引き揚げてきたようだった。
 エンジンはすぐにオーバーヒートしてしまうので、
 (地上では)ホースで水をかけながら運転をしていた。』

・・・やっぱり、冷却器の冷却能力不足で冷えなかったんですね。

しかし「水びたしの機体」とは (^_^;

「研三」の特徴である表面冷却器や、胴体側面のラジエーター装備の仕方に問題があったのですね。
胴体側面のラジエーターのインテイクは見た目カッコイイ!のですが、
これは液冷エンジン機の冷却器配置として褒められたものではないと、2月16日の鳥養鶴雄さんの講演会でも触れられていました。

P200207_ken3cooler
【「研三」中間機(実大模型)の胴体側面ラジエーター部分】

「飛燕」も、エンジン地上運転が長引いたりすると冷却水温がグングン上がっちゃうので、
胴体の下の冷却器めがけてホースでジャージャー水をかけながらエンジン運転したという話を
戦時中に学徒動員で整備の手伝いをされていたという方から伺ったことがあります。

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2020年2月23日 (日)

「研三」展・会場対応(2/23)

今日は、お家で掃除や洗濯など家事をしようと思っていたのですが、
起きたら雨降ってるし、風も強いし、ということで
急遽、博物館ボランティア活動に変更だ!

・・・というわけで、ほぼ一日、「研三」展の会場で来館者の質問対応をしておりました。

企画展会場で受けた来館者の方々からの質問で、記憶曖昧等でキチンとお答えできなかったことをフォローしますと、

Q:「研三」中間機の燃料タンクの容量は?

A:胴体(操縦席の前方)に 250リットル です。
  純粋な速度研究機であり、そんなに航続距離は必要ないので燃料搭載量は少ないですね。

P200223_1

Q: 「研三」中間機に使った燃料(ガソリン)は何オクタン?

A:エンジンの地上性能試験の記録からは、92オクタンと100オクタンの燃料が使われています。

 

Q:「研三」の色って、灰色でいいの?

この質問は、ほんとに多い(^_^;
研三機の塗装色については、市販のプラモデルにはオレンジ色のものがあったりするので、気にしている人が多いみたいです・・・。

A:機体塗装に関する記録は、国立科学博物館の所蔵資料の調査でも発見できなかったのですが、今回の企画展にあたっては、当時の関係者の証言から「灰色」にしました。

 といっても灰色の色調も本当のところは判らないので、実大模型では只の「灰色」で塗装しました。
 (ツッコまれたところで、わらかんものはわからんのだ)

 個人的には、当時の川崎航空機の工場での製造機に使っていたであろう(「研三」の作業を行った試作工場での在庫も多くあったであろう)
 灰緑色か?とも思うのですが、根拠はありません。あしからず。
 記録映像では、かなり明るい色に写っているシーンもあるのですが、これは試験飛行を行ったのが夕方であり、夕日の強い光をあびているというのも考慮しないといけないと思います。

 ちなみに「研三」中間機に全体塗装が施されたのは、最高速度記録を出した第31回試験飛行のときだけ。
 それまではジュラルミン地肌の無塗装なのです(日の丸や機首上面の防眩塗装はされています)。
 終戦後に進駐軍が撮影した、川崎航空機の試作整備格納庫内に放置されている「研三」の写真があるのですが、これを見ると塗装は落とされているようにみえます。

 「研三」の最終飛行となった第32回試験飛行では、塗装の影響の調査が行われているので、このときに塗装は剥いじゃったのかも。

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2020年2月22日 (土)

「研三」展・ギャラリートーク対応(2/22)

3月16日まで開催の企画展「スピードを追い求めた幻の翼 研三―KENSAN―」では、
毎週土曜日13:00から空宙博スタッフによるギャラリートークが催されています。

P200222_1

今日は私が担当しました。

トークの時間は30分なのですが、今日は余計な話が多くなってしまい、
1時間近くかけてしまいましたぁ (>_<;;;

2月8日にやったときは、「あゝ片岡飛行士の歌」も歌って40分程度で済ませたのですが
もっと解説内容を整理して臨むべきでした(反省)

~~~~~

館内の航空エリアA2ゾーン(「飛燕」の展示室)にある、
「飛燕」主任設計者の土井武夫さんの日記やメモ帳の展示ケースのガラスが割れてしまったそうで、
修理できるまで一時撤去になっています (T_T)

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【土井武夫さんゆかりの品々の展示ケースが無くなって、ベンチが置いてある~!?】

結構、分厚いガラスだったのですが、何かモノでもぶつけたのでしょうか?
展示ケースが割れるというのは、22年間の博物館ボランティア活動でも、あまり経験がありません。

幸い、展示品には被害は無かったようですが、
土井武夫さんの遺品展示には、私も関係させてもらっていましたので、これはちょっと悲しい・・・

 

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2020年2月16日 (日)

鳥養鶴雄氏による「研三」講演会

昨年12月から企画展「スピードを追い求めた幻の翼 研三」に展示する
研三中間機の実大模型製作に掛かりっきり(しかも公開まで秘密(^_^; )になっていたので、
久しぶりのブログ更新です。

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この期間の研三実大模型の製作過程など、できていなかった報告についても追々、やっていきたいと思っていますが、
とりあえず!

今日は「研三」企画展のイベントのひとつ、
航空ジャーナリスト協会 会長 鳥養鶴雄さんによる講演会
『高速飛行研究機「研三(キ78)」その栄光と残照』が開催されました。


P200216_1
鳥養さんには、過去にもYS-11やT-1ジェット練習機、 戦後の航空機開発と技術の伝承などについての講演会の講師をやっていただいていますが、

今回の講演では、研三の挑戦の紹介とともに、欧米と日本の差異から生まれる産業革命から今日に至る課題について、1時間半、お話しいただきました。

P200216_2

(講演中は撮影禁止となっていましたので、講演開始前の写真です)

・・・今回のはちょっと説教っぽくて、もうちょっと鳥養さんらしい「研三」についての辛口批評もお聞きしたかったのですけれど(^_^;
私は聞いていて面白かったです。
ご高齢にも拘らず、エネルギッシュに長時間の講演をやっていただき、感謝に堪えません。ありがとうございました。

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【講演会終了後に、聴講者と歓談される鳥養鶴雄さん】

 

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2020年2月 7日 (金)

「研三」企画展準備・胴体実大模型の搬入

明日8日(土)から開催される、企画展「スピードを追い求めた幻の翼 研三-KENSAN-」に展示する
高速度研究機「研三」中間機の胴体実物大模型の館内企画展会場への搬入が、空宙博ボランティアの皆さんの支援の下、行われました。

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【博物館入口前には「研三」企画展の大きな看板が設置されました】

博物館建屋裏手の収蔵庫から館内の展示場所まで約200mですが、この「研三」実大模型はダンボールで出来てるもんで、とにかくヤワです。
運搬中に壊れちゃうといけない!ということで、特に慎重に行いました。

入館者数が少なくなってきた、午後3時から作業開始!

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【収蔵庫から搬出。大扉前のスロープを下るのは特に慎重に!】

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【屋外を搬送中の「研三」実大模型・その1】

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【屋外を搬送中の「研三」実大模型・その2】

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【企画展会場東側の非常口扉から館内に搬入です。】

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【扉の幅ギリギリです。ゆっくり、ゆっくり慎重に!】

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【無事、館内に入りました。展示場所へ移動中。】

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【展示場所に設置、機首先端のプロペラ・スピナを付けてみました。】

開始から設置完了まで、約10分くらいの移動作業でしたが、実大模型を破損させることなく館内搬入を終えることが出来ました! (^_^)v
ご支援いただいたボランティアの皆様、ありがとうございました!
明日からの企画展が楽しみですね。

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2020年2月 1日 (土)

2020年2月度ボランティア・グループ月例会

博物館ボランティア・グループの2月度月例会が行われました。


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1. 博物館からの連絡事項
・1月の入館者は前年比で75%。 この所、前年比6~7 割前後であったが、少し盛り返した。
・11月末から始まった特別企画展『月を目指す人類の挑戦』は1/13 が最終日。
 サターンV 型ロケットや月球儀作りワークショップ等を実施した。 最終日にはシアタールームで初めての試みとなった音楽会が催され、成功裏に終了。
・1/20~4/5 までA3 ゾーンにて空宙博写真コンテスト作品展(全182 点応募あり)を開催中。 審査員と一般来館者の投票で賞が授与される。
・2月のイベント:
2/8(土)~3/16(月)まで企画展『スピードを追い求めた幻の翼 研三』を開催する。
展示以外にも2/16(日)には鳥養鶴雄氏による講演会、2/23(日)には映画『華麗なるヒコーキ野郎』上映会などを実施予定。
国立科学博物館が所蔵する東大航研の主任設計者・山本峰雄氏や発動機主任・粟野誠一氏の保存資料の調査結果を元に、中学生以上を対象として「研三」の技術開発や発見された当時の試験装置などを解説・展示する。
小学生や未就学の子供についても配慮して、「研三」の紙飛行機を用意するが、飛ばすのが難しく細部を調整中。 幻の研三2号機を自由に想像・描いてもらう、ぬり絵コーナーも用意する。
また、2/24(日)にはラジコンのプロペラ機を用いて飛行機への興味をもってもらう体験教室も企画する。
・リニューアル2周年記念イベントとして、3月から各種教室の他に、STOL実験機「飛鳥」の機内特別公開を検討中。 ボランティアの皆さんのご協力が是非とも必要。 詳しくは3月の例会にて説明します。

2. 前月度の活動報告
・1月は厳寒期でもあるということで基本的に屋外活動は休止中としているため、特に報告事項は無し。

3. ボランティアご意見箱(館側との協議結果を発表)
・宇宙エリアS3 ゾーン:人工衛星の軌道展示に「いぶき2 号」を追加して欲しい。
・博物館ホームページにはスポット・ガイドとガイド・ツアーの案内があるが、そこに「ボランティアが来館者からの質問や疑問に答えます」との一文を入れては如何か? -> ボランティア内でも賛否両論、改めて協議します。
・先月の例会での、ガイド・ツアー告知の館内放送の要望については、本日(2/1)から実施します。
また、乙式一型偵察機とハ140 エンジンの下面に鏡を設置する要望については、実行に向け準備中。

4. 番外『トヨタ博物館の見学報告』
愛知県長久手市のトヨタ博物館におけるガイド・ツアーの様子等をボランティア 鰐部さんから報告。

5. 展示機説明『東大航研/川崎 高速度研究機「研三」』
2/8 からの「研三」企画展開催にあたり、「研三」機の概要について説明を行いました。

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次回のボランティア月例会は、3月7日(土) 10:00~の予定です。

※ 3月度ボランティア月例会は新型コロナウィルスの影響のため、3月21日(土)に延期になりました。

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