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2023年2月18日 (土)

F-4EJ改ファントムII戦闘機の搬入イベント支援

さあ、今日は待ちに待った新展示機・F-4EJ改ファントムII戦闘機431号機の博物館への搬入日です!

我々、空宙博ボランティア・グループは、午後からのF-4綱引きイベントを支援することになっています。
少し早めに博物館へ行き、F-4の搬入を待ち構えることにしました。

F-4は岐阜基地南の工事車両用ゲートを通って博物館敷地まで牽引されてきます。
展示機の搬入にあたって、機体を事前に分解する必要がないのは、飛行場に隣接する岐阜かかみがはら航空宇宙博物館の強みでもあります。

今回、搬入されるF-4は重量が重い(報道発表では約13.8t)ので、搬入経路となる芝生広場には、タイヤが地面にめり込んでしまわないように工事現場で使われる鉄板が敷き詰められていました。

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【朝の博物館芝生広場。搬入経路に鉄板が敷かれています。】
 

F-4が到着するのは11時頃とのこと。まずは岐阜基地の中の工事用道路を引かれてくるところを見て記録しておかねば!

博物館までは、航空自衛隊岐阜基地の隊員さん達が機体を引っ張ってきてくれます。

おや? 基地内にクレーン車とF-4の燃料タンクが置かれているのが見えますよ。

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【岐阜基地の中の道路にクレーン車が配置されています】
 

クレーン車なんて、ひょっとして機体を吊り上げないといけないの?
T-1練習機T-2 CCV研究機の搬入のときは、基地内の道路をそのまま牽引されてきたし、T-3初等練習機の搬入では我々ボランティア・グループが基地内道路を機体を押して博物館まで運んだけれど・・・
と思って、近くにいた各務原市の職員さんに尋ねてみると、基地内に建設中の、大型格納庫の工事の関係で道路途中に通れないところがあるのだとか。
やむを得ず、クレーンで吊り上げて柵を越えさせるのだとのこと。

うえー、大変だなそれ!
でも飛行機の吊り上げ作業なんて、そうそう見れるもんじゃないし、これは貴重な場面かも。

・・・と待っていると、来た来た! 9時半ごろにF-4が運ばれてきましたよ!
あらら!? 機首が博物館とは逆方向(東向き)を向いてますよ。

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【F-4ファントムが引かれてきましたよ!】
 

みると、基地内の道路を通すため、主翼の外側が折りたたまれています。
F-4はもともとアメリカ海軍が航空母艦で運用する艦上戦闘機として開発したので、主翼が折りたたまるようになっているんですね。

ここでクレーンで吊り上げられて方向転換されます。

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【F-4の吊り上げ作業の様子】
 

方向転換後、搬送のために外されていた主翼下の燃料タンクの取付け作業が行われました。(タンクの取付作業は撮れませんでした)

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【10:41 タンクの取付けを終えたF-4】
 

11時、F-4の搬入待ちの間に、ボランティア・グループに午後からの綱引きイベント支援作業の事前説明が行われました。

綱引きイベントでのボランティアの役割は、
1. 機体前方位置での綱引き参加する子供達の安全確保の支援
2. 機体後方位置での初動の加勢(子供達の力だけでは機体が動かない場合に後方から機体を押す)
3. 見学者の案内(質問などの対応)
・・・です。

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【屋外イベントテントで綱引きイベントの事前調整中】
 

説明を終えて一旦解散となったところで、F-4の博物館敷地へ向かって移動が始まりました。


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【基地内の道路を博物館へ向かって牽引されるF-4】
(ボランティア宮崎さん撮影)
 
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【11:06 基地側ゲートにF-4が現れました!】
 
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【通路上の電線がキャノピーと尾翼に接触するので、棒で電線をよけます】
 
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【F-4搬入を一目見ようと大勢の見物客が集まっています!】
(ボランティア宮崎さん撮影)
 

11:15、F-4EJ改#431、無事に博物館敷地に到着しました!

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13時の綱引きイベント開始までは、撮影タイムです。

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【お昼休み中は、機体の撮影タイムです】
 

「F-4EJ改431号機綱引きイベント」は各務原市が主催のイベントで、全国から公募で選ばれた小学生39人(倍率8倍!だったそうです)を2班に分け、重量約13.8tあるF-4EJ改を博物館建屋まで約30mづつ、計60mの距離を綱引きで引っ張ろうというもの。

2018年1月20日の空宙博リニューアル・オープン・プレイベントでは、T-33A練習機とT-1練習機を子供に引っ張ってもらいましたが、それのF-4版という具合でしょうか。

基地内道路を搬送するため折りたたまれていた主翼を、自衛隊員さん達が展張させます。
これは、なかなか見れないシーンです!

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【折りたたまれていた主翼を展張させています】
 
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【屋外イベントテントには報道の方々が集まってきました】
 
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【F-4に綱引き用のロープが取り付けられました】
 

・・・と、ここで雨がぱらついてきました!
折角のイベント当日なのに、なんとか終了まで持ってくれ~、との皆の願いが通じたのか、12:30頃には雨は止みました。ヨカッタ (^_^)

12:45、ボランティアの皆さんに、あらためて綱引き時の注意事項を確認・徹底がされました。

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【空宙博ボランティア集合! 綱引き前の最終確認】
 

13:00、「F-4EJ改431号機綱引きイベント」 の始まりです。

イベントテントでは、各務原市太鼓保存会の皆さんによる和太鼓の演奏に続き、浅野健司各務原市長、山本光伸岐阜基地司令、坂澤博光各務原市議会議長による挨拶の後、博物館学芸員から綱引きに参加される子供達への説明が行われ、いよいよF-4の綱引き開始です!

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各務原市太鼓保存会の皆さんによる和太鼓の演奏
 
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【浅野各務原市長による挨拶】
 
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【山本岐阜基地司令による挨拶】
 
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【坂澤各務原市議会議長による挨拶】
ちなみに、坂澤さんは元F-4のパイロット(!)だったそうです。
 
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【博物館学芸員による綱引き要領の説明】
 

私は、空宙博ボランティア活動の記録係ということで、報道の方々と一緒に会場北側に移動して綱引きの状況を撮影です。

13:20過ぎ、綱引きする子供達のスタンバイ完了です! いよいよ引っ張るぞ!

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【F-4綱引き、配置に着きましたです!】
 

せーの、「わっしょい!、わっしょい!」の掛け声とともに重量約13.8tのF-4が動き始めました!!

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【F-4、綱引きで動き出しました!】
 

・・・当初は、小さな子供20人程度では、F-4はとても動くまい、と思っていたのですが、スタート地点がちょうどゆるい下り坂になっていたので、意外にスムーズに動き始めたのですが・・・。
速度がついてきてしまったので、安全のため一旦停止したのですが、今度は全然動かなくなっちゃった! (^_^;

ガンバレ、ガンバレ!

子供達が懸命に綱を引っ張りますが、機体はビクともしません。ここでボランティアの出番だ!!

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【うーーーん! こんどは重くて動かなーい!!】
 
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【ボランティアが機体を押して加勢しました (^_^; 】
 

子供20人+博物館職員&ボランティアの加勢によって、なんとか60mの距離を引っ張ることができました!

F-4は重かったけれど、子供達もボランティアも貴重な体験ができて大喜びでした。ヨカッタネ。 (^_^)v

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【綱引きに参加した子供達の記念撮影】
 

この後、F-4は再び主翼を折りたたまれ、自衛隊員の皆さんによって博物館建屋内に牽引・搬入されました。

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【館内へ搬入・展示位置へ】
 
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【折りたたんだ主翼を再び展張させます】
 
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【F-4EJ改#431、展示位置に収まりました】
 
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【搬入作業を終えて、航空自衛隊の方々の記念撮影】
 

# この日のF-4EJ改#431搬入の様子は、岐阜新聞社のYoutubeチャンネルでご覧いただけます。
# https://www.youtube.com/watch?v=q7dZmuaz2cM

大きなトラブルなく、無事にF-4搬入作業&イベントを終えることが出来ました。
関係者の皆様、お疲れ様でした。

3/10までは、F-4が展示される館内A3ゾーンはレイアウト変更作業のため立入制限が設けられています。
近くで見れるのは3/11からになります。

~~~~~

・・・10数年前から、各務原の航空宇宙博物館に展示すべきF-4は、
国産機であり各務原でも製造分担(主翼、尾翼、後部胴体は各務原で作られました)され、日本独自の改修が行われたとともにASIP(航空機構造保全プログラム)を日本で初めて適用したF-4であるEJ改の試改修一号機・・・431号機であるべきだと、ことあるごとに主張・要望をしつづけてきました。
この博物館の展示趣旨を考えた場合、日本の航空技術史を後世に伝えるうえで必要なファントムは#431以外にはあり得なかった。
2014年のリニューアル検討委員会でも、将来収集すべき展示機としてF-4EJ改#431を挙げさせていただいた。

ようやくそれが叶いました。

今日、博物館内の目の前にF-4EJ改#431が鎮座しています。感無量です。有難うございました。

さあ、次に収集するのは何の機体だ!?(笑)
・・・えっくすナントカですか?? (^_^;

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コメント

えっくすナントカ、当然取りに行くと思っていたのですが何だか所沢に持っていかれそうなハナシが出ているようですね。
ここは一つT-2ブルーと交換で所沢に譲って貰いましょう、などと願望を述べておきます。

投稿: はねぶた | 2023年3月27日 (月) 23時12分

横取りは許しません!(笑)

いやはや、所沢のリニューアル計画に盛り込まれているというのは存じていましたが
各務原も将来の収集機として、ずっと前から申し入れはしてはいます。
さすがにライバルは多いですね(^_^;

機体の現状を考えますと、博物館として理想的な形での収蔵には不安なところはありますが。

投稿: 小山 澄人 | 2023年3月28日 (火) 21時25分

心強い御言葉です。
飛行終了後の台上試験で色々どうにかなっているのかも知れませんが、それでも実機を各務原でX1GやCCVと並べる意義は大きく 保管されるなら他所よりはやはり岐阜で、と思います。
いずれT-4#601も並ぶでしょう(そうでないと困ります)し、いやー、楽しみだなぁ。
並行してC-1FTBの置き場所も必要ですし、T-1#801も早く飛行機に戻してやりたいし、実効性のある応援をしたいところです。

投稿: はねぶた | 2023年3月30日 (木) 23時36分

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